映画「フィールド・オブ・ドリームス」の広告コピー

映画コピー評論 ネタバレにならないように、物語の本質を伝える。映画コピーの難しさはこのあたりにあります。ワクワクする気持ちや「見たい」と思わせるには、ある程度、映画の中身を伝えないといけない。でも伝えすぎると、ネタバレになってしまう。そのは…

映画「インビクタス 負けざる者たち」の広告コピー

映画コピー評論 物語の概要をしっかりと記述するタイプの広告コピー。自伝的なストーリーによく使われる手法です。ノンフィクション系はその物語自体が大きな訴求力となるので、しっかり概要を伝えてあげるのはとても効果的です。この映画も実話をもとにした…

映画「ATOM」の広告コピー

映画コピー評論 自分の子どもを忘れられなくて、アトム(ロボット)をつくった。子どもの記憶を引き継いだそのロボットは本当に自分の子どもなのか。そんなテーマが今回のアトムには色濃く反映されています。そんなテーマ性を内包しつつ、アメリカ特有の勧善…

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」の広告コピー

映画コピー評論 会話コピーのいいところは、映画の世界観を表現しやすいというところにあります。本編に出てきた言葉や、もしくは本編の主人公が話している風の言葉を使うことによって、映画の世界観をそのまま外に持ち出すことができるため情緒的な映画やテ…

映画「ダメジン」の広告コピー

映画コピー評論 ダメな男が、ダメダメだけど、頑張って生きる。本当にそんな映画だから、このコピーしか書けないとも言える。(笑)でもこの映画の魅力であるキャラクターの良さや、ダメだけど憎めない愛らしさとか、独特のコメディ要素やゆるさが上手くコピ…

映画「トイレット」の広告コピー

映画コピー評論 この物語のメインテーマを、バシッと言い放ったコピー。話者はこの映画の中心人物であるばーちゃん。このコピーは映画を見る前よりも、見終わったあとに効果を発揮するコピーのように思う。ポスタービジュアルは日本人のおばあちゃんと外国人…

映画「ソラニン」の広告コピー

映画コピー評論 倒置法を使ったコピー。倒置法を使う時は何個かコツがある。まずはリズム。自分で声を発しながらコピーのリズムを吟味するのが大切です。次に、後半の文章に驚きを入れること。驚きとは、興味をそそること同義だと思って大丈夫です。倒置法と…

映画「ゲゲゲの女房」の広告コピー

映画コピー評論 今の人にとってこのコピーは「ありえない!」って気持ちが強い。逆に昔を知る人たちは、「まぁこういうこともあったよな」となつかしさを覚えたりする。どの世代がみても、こころに引っ掛かりをもたせるコピーであると思う。それと同時に、こ…

映画「WOOD JOB!神去なあなあ日常」の広告コピー

映画コピー評論 「少年よ、大志を抱け。」有名なクラーク博士の言葉をオマージュしたコピーで、独特の青春感と、映画のキャッチ―さをコピーに落とし込んでいますね。今回は「林業」の話だよってこともしっかり分かるようになっています。矢口作品はある種の…

映画「アバウトタイム」の広告コピー

映画コピー評論 タイムトラベルものなのに、「今日という日を生きる」という言葉が出てくるところにこの映画の特異性・魅力が詰まっていて、このコピーを見ただけで、素敵そうな映画だなと予感させる効果を発揮している。言葉としてはそこまでの強さはないけ…

映画「となりのトトロ」の広告コピー

映画コピー評論 これも評価しにくいコピーのひとつです。今はあまり使わないコピーですよね。今はとにかく強い言葉、強いイメージ、強い企画が主流の映画コピーですが、なんともゆるさが先行する独特のコピーです。これで映画動員数上がるのかって担当者に言…

映画「平成狸合戦ぽんぽこ」の広告コピー

映画コピー評論 正直、これがいいコピーなのか私には判別できないです。コメディ要素もあるし、社会風刺の要素もある。いろんな切り口が考えられるなか、このコピーをチョイスしたのは当時の色々な要素が絡んでいるのだろう。このコピーを通して、哀愁溢れる…

映画「ゲド戦記」の広告コピー

映画コピー評論 ゲド戦記という映画はつかみどころがない。テーマが難しいし、全体的に暗めな印象もある。コピーは基本的にプラス(陽)のイメージを付与させたいから、こういった作品の場合けっこう難しい。明らかに暗い話ってテーマ性がはっきりしてればい…

映画「耳をすませば」の広告コピー

映画コピー評論 これもジブリコピーの中ではシンプルなコピーですね。青春時代をうまく表現したいいコピーだと思います。好きな人が頑張っている。だから自分も頑張りたい。主人公の気持ち痛いほどよく分かります。「ひと」がひらがななのが、全体の雰囲気を…

映画「紅の豚」の広告コピー

映画コピー評論 このコピーも個人的には大好きで、このコピーが正解だと思っています。(コピーに正解などないという前提をもってしてもこのコピーにはかなわない)言葉のチョイス、文字のバランス、リズムのよさ、映画とのマッチング、すべて完璧だと思うの…

映画「風の谷のナウシカ」の広告コピー

映画コピー評論 割とスタンダードで攻めたコピーかなと思います。映画の内容に沿っていて、小学生にも分かりやすい。でもすこし物足りなさもある気がします。愛や奇跡という言葉が今ではあまり通用しない(効かない)言葉になってるからかな。当時はまだ通用…

映画「天空の城ラピュタ」の広告コピー

映画コピー評論 物語のはじまりを予感させるコピー。少女が空から降ってきたという言葉の驚きと不可思議さが興味をそそる。映画コピーとしては割とステンダードなテイストに属するコピーです。天空の城ラピュタという題名から連想されるイメージを、コピーで…

映画「火垂るの墓」の広告コピー

映画コピー評論 最初、このコピーをみたとき、身体中に衝撃が走った。心が打たれるとはこういうことを言うのだと。それほど完成度が高く、心に響くコピーだということだ。テクニック的には数字の使い方が巧みなのと、「と」「で」の使い方が上手い。このたっ…

映画「ハウルの動く城」の広告コピー

映画コピー評論 超シンプル。しかも内容知らなかったらよく分からない。しかも、そんなに生活感あった感じもしないんだよなぁ。でも、見返すたびに、なんだかこのコピーの深みが増していく錯覚に陥る。きっと錯覚ではなく、そんな狙いがあったのだろう。じわ…

映画「千と千尋の神隠し」の広告コピー

映画コピー評論 トンネルを抜けるとそこは雪国だった。川端康成の有名な「雪国」の冒頭です。そのオマージュともとれるこのコピー。目に見えるように情景がうかび、映画の世界観がすっと頭に入ってくる。日本人心をくすぐる素晴らしい情景コピーだと思います…

映画「いぬやしき」の広告コピー

映画コピー評論 これはシンプルなコピーですね。映画の内容をしっかり表現していて、内容を知らない人にも驚きを与えるコピーに仕上がっています。漫画原作の映画の場合、ほとんどが人気作を実写化するわけだから大体内容を知っている場合が多い。といっても…

映画「レディ・プレイヤー1」の広告コピー

映画コピー評論 この初体験には、色々な意味がこもっているのだろう。「VR世界」という初体験。「全世界のキャラクターが共存する」という初体験。映画の革新性を「初体験」という言葉に凝縮したのがこの宣伝文句。ただし、今回のポスターはビジュアルがか…

映画「名探偵コナン ゼロの執行人」の広告コピー

映画コピー評論 名探偵コナンの映画コピーは、「ワクワク感」「気になる感」を引き立たせるものが多いですね。実際、映画で初めて真相が分かるなんてことあるので、コナンファンとしてはそういったコピーについつい食いついてしまいます。今回のコピーもかな…

映画「もののけ姫」の広告コピー

映画コピー評論 コピーライターを知らない人でも、広告コピーに興味がない人でも、このもののけ姫のコピーだけは知っている。それほど知名度が高く、印象が強いコピーです。濃密なもののけ姫のストーリー・世界観・テーマを、たった3文字で表現し、言葉の強…

映画「魔女の宅急便」の広告コピー

映画コピー評論 コピーライター界の大巨匠である糸井重里さんが書いたコピー。糸井さんは他にも多くのジブリ作品でコピーを手掛けています。その人気は高く、糸井さんのジブリコピーをみてコピーライターを目指したなんて人は、かなりの数いるんではないでし…

映画「ソーシャル・ネットワーク」の広告コピー

映画コピー評論 コピーに数字を入れるのは、とても効果的です。特に大きな数字や顕著な数字はそれだけで強い力を持ちます。今回は「5億の友達」という普通ではありえないものが一気に心を惹きつける表現となっていますね。「何人か」と「5億」の対比構造も「…

映画「めがね」の広告コピー

映画コピー評論 「自由」という言葉を使うのはすごく難しい。自由って言葉は日常にありふれていて、作品のテーマとするにはあまりに広すぎるし、平凡すぎる。だから、差別化・言葉の強さを求められるキャッチコピーでは、使うのにはすこし勇気がいる。でもこ…

映画「グラン・トリノ」の広告コピー

映画コピー評論 映画を内容を凝縮し、たった2行で表現した名コピー。見た人ならうんうんとうなずき、見ていない人もその哀愁に引き寄せられる秀逸さがあります。キャッチコピーではよく使う技術ではありますが、「俺と少年」「締めと始め」の対比が美しく、…