映画「トイレット」の広告コピー

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映画コピー評論

この物語のメインテーマを、バシッと言い放ったコピー。話者はこの映画の中心人物であるばーちゃん。このコピーは映画を見る前よりも、見終わったあとに効果を発揮するコピーのように思う。ポスタービジュアルは日本人のおばあちゃんと外国人3人とかなりインパクトがあるので、言葉にそこまで吸引力がなくても大丈夫、むしろしっかり世界観を伝えてあげて、この映画と一体化するようなコピーが求められる。その点で、このコピーはその要素を十分満たしている。文字の長さ・漢字・カタカナ・ひらがな・句読点のバランスも絶妙だと思います。

映画について

プラモデルオタクのレイ。ひきこもりピアニストのモーリー、陽気な大学生リサ、この3人の中心にいるのが「ばーちゃん」の存在。色々な悩みを抱える外国人3人と日本人の「ばーちゃん」のかかわりあいが絶妙で、少しずつ打ち解け、自分を見つけていく様子が非常にゆったり表現されている。独特の展開のリズムが心地よく、映像のとり方もやっぱり萩上直子映画だなって思わせます。それにしても、もたいまさこさんはすごいな。英語話せないでコミュニケーションをとる役って相当難しいと思う。言葉ではなく表情や仕草ですべて感情を伝えていく。しかも表情豊かなわけじゃない。もたいさんだからできた映画が「トイレット」なんでしょうね。

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映画コピーをつくってみた

家族になるのに、言葉はいらない。

言葉にできないものが、この映画にはあって、人生にはそれがすごく重要だと教えてくれる。人は言葉を発明して、現代は言葉に溢れている。でも本当に大切なことは言葉じゃなくても伝わる。逆に言葉が邪魔なときもある。何かを伝えたいとき、人は必死に言葉を足し算する。でも引き算の方が伝わることもある。そんなことをこの映画を見て感じました。


映画『トイレット』予告編