映画「オーバー・フェンス」の広告コピー

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 映画コピー評論

理想と現実。人生を生きるうえで、切っても切り離せないテーマのひとつがこれです。本当はこうなりたい。そうは思っているけど、現実はダメダメで、世間はつらくて、本当は何者にもなれないって、どこか諦めて、自分を偽りながら過ごしている。映画から受けるこのような印象を、一言で言い表したのが、このキャッチコピーだと思います。全体的に暗いんだけど、その中にも光がみえる。希望を感じる。色んな要素を含んだ含みのある良質なコピーだと思います。

映画について

「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」の原作者である佐藤泰志の芥川賞候補作品を映画化。「苦役列車」など数々の人気作を手掛けてきた山下敦弘監督が監督をつとめ、オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら豪華メンバーが出演しています。原作者の佐藤が職業訓練校に通った自身の体験をもとに作った小説で、れぞれ苦悩を抱えた若者たちの飾らない姿を描き出しています。大きな盛り上がりはないけど、いつのまにか映画の登場人物たちに心奪われる。もやもやを抱えた人間らしい姿をうまく表現していて、心がいたくなるけど、救われるような変な感覚に襲われる唯一無二の作品に仕上がっています。

映画コピーをつくってみた

どうしようもない自分を、どうしようもなく愛してほしかった。

「ひとそれぞれ色んなことあるよね。」を、リアルに、鬱蒼とした思いと、隠された感情とで描き出す作品。でも、結局は、誰かに認めてもらいたい、愛してもらいたいんだよなぁ。


「オーバー・フェンス」予告編